平均寿命と健康寿命
こんにちは 代々木上原駅前内科クリニックです。
先月は日本人の平均寿命が最長記録を更新中であることをご紹介いたしました。さて、日本人の平均寿命の大規模な統計が取り始められたのは終戦直後の1947年になりますが、この当時の平均寿命は、男性で50.1歳、女性は54.0歳でした。つい数十年前には男性も女性も60歳まで生きれば立派な長寿だったということになります。60歳を還暦として長寿祝いをする慣習があるのもうなずけますね。
その後、公衆衛生の向上や医療技術の革新、健康意識の高まりなど相まって寿命は右肩上がりで伸び続けています。日本人の平均寿命は今後も当面伸び続けると予想されており、内閣府公表の将来推計によると2060年には男性が84.2歳、女性が90.9歳になるそうです!
一方、厚労省が別途算出している「健康上の問題がなく、日常生活が制限されることなく送れる期間」を示す健康寿命は、2018年3月の発表で女性は74.8歳、男性は72.1歳でした。現在の日本人平均寿命は女性で87.3歳、男性で81.3歳とのことですから、”健康上の問題があり、日常生活に制限がある期間”は男性で9.2年、女性ではなんと12.5年もあることになります。高齢化がこれから国の財政に深刻な負担となりゆく現状況においては、単に平均寿命が延びることで良しとせず、平均寿命と健康寿命の乖離をいかに埋めていけるかが、今後日本に住む私たちの取り組むべき重要な課題になると言えそうです。
代々木上原駅前内科クリニック