大腸がんは、長さ約1.5メートルの大腸(盲腸・結腸・直腸)に発生するがんで、現在日本人が最も多くかかっているがんです。新たに大腸がんと診断される人は、毎年13万以上もおり、成人男性の10人に1人、女性の13人に1人がかかると推測されています。大腸がんは大腸粘膜の細胞から発生し、良性ポリープである腺腫(せんしゅ)の一部ががん化する場合と、正常な粘膜から直接がん細胞が出てくる場合があると考えられています。罹患する割合は40〜50代から高まり、年齢を重ねるほどリスクが高くなります。男女別では、罹患率・死亡率とも男性が女性の約2倍です。大腸がんは、進行が遅い、性質が比較的おとなしい、ほかの臓器に転移しても切除可能といった特徴があり、治る可能性の高いがんと言われています。そのため、早期に発見して適切な治療を受けることが大切です。
大腸がんの初期は自覚症状がありません。早期がんを発見できるのは大腸がん検診の便潜血検査の異常があって精密検査として内視鏡検査をした場合か、何か腹部症状で大腸内視鏡をした時に偶然見つかる場合であり、自覚症状から発見される早期がんは稀と言えます。
次のような症状が出始めたら、すでにがんが進行している可能性があります。是非一度専門医の診察を受けてください。
大腸内視鏡検査は、直腸から盲腸までの大腸全体と、さらに小腸の一部である回腸末端までスコープを挿入して、1メートルほどの範囲を観察する検査です。
つらくない・安心な内視鏡検査を、専門病院と遜色のない高水準で実施いたします。
当院のすべての内視鏡検査を施行する院長は、主に東京大学医学部附属病院の消化器内科と光学医療診療部(内視鏡部)で内視鏡を学び、総合病院の内視鏡部で長らく責任者を務め、経験を重ねてきました。
代々木上原駅前内科クリニックでは細径スコープを用いて無送気軸保持短縮法にて挿入することを基本手技とします。さらに観察治療時には通常空気を注入して腸管を膨らませるところを炭酸ガスに変更することにより極力おなかの張りを防ぐようにしています。これだけでも従来法に比べて十分“辛くない”内視鏡を受けていただけますが、さらに適正量の鎮痛剤と、ご希望に応じて入眠できる程度の鎮静剤の注射を併用することにより、気が付いたら終わっているような“つらくない内視鏡“を実現できます。これまで苦痛のない大腸内視鏡を実践するために様々な検討をしてまいりましたが、現時点ではこの「細径スコープ+無送気軸保持短縮法+炭酸ガス送気+適正な鎮痛鎮静剤使用」が、最も苦痛の少ない大腸内視鏡検査に対する最適解と判断しています。
一般的な大腸内視鏡検査でお腹が苦しいと感じる原因は、腸内に空気を入れて膨らませ、さらに腸を伸ばしながらスコープを進めているからです。腸を必要以上に強く伸ばしすぎると腸管穿孔(腸に穴があく)といった重篤な合併症のリスクもあります。当院では内視鏡を進める時に空気や水などの注入をせず腸の膨らみを最低限にした上で、かつ腸をスコープで伸ばすことなく曲がりを修正しながらほぼ直線的にスコープを進めていく「無送気軸保持短縮法」を採用しています。圧倒的に痛みが少なく理想的な挿入方法です。
患者さまの年齢・体重やこれまでの検査経験など様々な要素を加味して、適正量の鎮痛剤と、ご希望に応じて入眠できる程度の鎮静剤併用することで、理想的な苦痛の少ない内視鏡が実現されます。逆に、過去の検査で鎮痛剤を使用しなくとも全く辛くなかった方や、起きた状態で内視鏡検査の画面をご覧になりたい方はアレンジいたします。
正確な診断と苦痛の少ない安全な検査を達成するため、富士フィルム社製の拡大機能付き細径スコープを採用しています。内視鏡診断機器には、高精細の画像や色彩、構造の強調が可能な「ハイビジョン内視鏡システム」、がんの早期発見に役立つ狭帯域光観察が可能な「BLIシステム」「LCIシステム」を導入しており、より精度の高い検査を実現します。
など
当院では検査を安全に行うため前日までに来院にて診察をお受けいただいております。(検査希望日があればあらかじめ電話にて仮予約をお取りいただく事ができます)
食事は前日も3食召し上がれますが、消化に良いもの(※)を摂るようにすると検査当日の前処置がスムーズに進みます。夕食は夜9時までに済ませてください。飲み物は特に制限がありません。寝る前に下剤(センノシド)を服用します。
前日の食事や飲み物は以下のことを注意すると、当日の腸管洗浄がスムーズにいきやすくなります。便秘の方はさらに2,3日前から食事内容に気を付けるとよりよいです。
朝から食事は摂らないでください。水分は摂って構いません。血圧の薬など、服薬指示のあった薬は朝7時にコップ1杯の水で服用してください。朝9時頃から洗腸剤を飲みはじめます。当院の標準的な前処置法では大体1-1.5リットルの洗腸剤を2時間から2時間半かけて服用します。※健康面でリスクが高い方やご自宅が遠く不安な方などは、当日午前中に来院して クリニック内の専用スペースで洗腸液を服用することもできます。
※当日はお仕事や外出・会食などのご予定を入れず、終日あけて頂くよう お願いいたします。・朝から食事は摂らないでください。水分は摂って構いません・血圧の薬など、服薬指示のあった薬は朝7時にコップ1杯の水で服用し てください。・およそ検査3~5時間前(朝8~10時頃)からご自宅で洗腸剤を飲み始めます。当院の標準的な前処置法では大体1-1.5リットルの洗腸剤を2時間か ら3時間かけて服用します。
午前中に前処置を済ませて検査は午後からの案内になります。
検査中に血圧や呼吸状態を管理するための生体モニタの準備をします。鎮静麻酔の注射をしてうとうと眠ったら検査開始です。検査中は横になって楽な呼吸を続けていただくだけで難しいことはなにもありません。 検査所要時間は15-20分分程度です。必要に応じて病変の一部を採取して病理検査を行うことがあります。切除が必要なポリープは事前承諾があれば可能な限りその場で切除いたします「日帰り手術」。※手術自体は当日で終わりますが、前処置や検査、術後の経過確認が必要ですので手術日以外に通院が必要となります。
鎮静剤を使用された方はリカバリールームで15〜30分ほど休憩していただきます。その後、状況確認のため待合室でさらに30分ほどお休みいただきます。
画像データを使いご説明いたします。病理検査や血液検査が追加された方は、1-2週間後の外来にてご説明いたします。必要に応じてお薬を処方いたします。
クレジットカードなどのキャッシュレス決済がご利用できます。
鎮静剤の使用をご希望の方は、自転車・バイク自動車を運転されての来院をお控えください。
安全に処置できると判断した場合は、なるべくその場で切除しております。詳しくは「日帰り手術」をご覧ください。 ※手術自体は当日で終わりますが、前処置や検査、術後の経過確認が必要ですので手術日以外に通院が必要となります。 ポリープの大きさ・形・基礎疾患の有無から日帰り手術のリスクが高いと判断した場合は、連携医療機関をご紹介いたします。
検査は保険適用です。
ポリープ切除ページは「こちら」をご覧ください。
大腸内視鏡は施行医の技術や経験により検査の精度や苦痛度に大きな違いが出るとされています。当院では苦痛なく正確な検査を行うことは当然ですが、きめ細かに対応できるクリニックの強みを活かし、患者さま一人ひとりに最も快適な検査を受けていただけるよう最適な方法をご提案いたします。これまで検査で苦労した方、初めての検査で不安が強くどこの医療施設で受けてよいか悩んでいる方は是非ご相談ください。