Q1.インフルエンザと普通の風邪は何が違うのですか?

 普通の風邪は、いろいろなウイルスによって引き起こされます。ほとんどが軽度の発熱や、のどの痛み、せき、くしゃみ、鼻水などが中心となる症状であり、強い全身の症状はあまりみられません。一方インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が強く現れる恐れがあります。さらに重症化して、小児では脳症、高齢者や体力低下した人では肺炎を伴うことも多いです。

 

Q2.ワクチンの接種は本当に効果があるのですか?

 インフルエンザウイルスは、口や鼻を通じて体内に侵入してきます。そこから数日の潜伏期間を経て発熱やのどの痛みなどを発症しますが、ワクチンにはこの発症を抑える効果がある一定程度認められています(100%ではありません)。さらに発症後、時に脳症や肺炎などの重い合併症が起きることがありますが、ワクチンはこの重症化を予防する効果も確認されております。ワクチンの最も大きな効果は、この重症化の予防です。

 

Q3.ワクチンの接種は毎年しなければならないのでしょうか?

 これまでの研究結果から、ワクチンの予防効果が期待できるのは接種後5か月程度と考えられております。基本的にインフルエンザ予防のためには、毎年インフルエンザワクチンの接種を受けたほうがよいといえます。また、インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行すると予想されるウイルスの型に合わせて、毎年新たに製造されていますので、その点からも毎年の接種を奨励しています。

 

Q4.現在のワクチンはなぜ4価になっているのでしょうか?

 数年前まではA型が2種類、B型が1種類の3価ワクチンでしたが、近年のインフルエンザB型の流行は2系統(山形系統とビクトリア系統)のウイルスが混合していることから、2015年度よりA型が2種類、B型が2種類の4価ワクチンとなりました。そのため、原価の値上がりから、接種料金自体は全国的に500~1,000円程度の値上がりしました。

2024-25期のワクチン組成は以下の通りです(2023-24 期から A/H3N2株の 1 株が変更されました)。

 ◆ A 型株:A/ビクトリア/4897/2022(IVR−238)(H1N1)、A/カリフォルニア/122/2022(SAN-022)(H3N2)

 ◆ B 型株:B/プーケット/3073/2013(⼭形系統)、B/オーストリア/1359417/2021(BVR−26)(ビクトリア系統)

 

Q5.インフルエンザワクチンの接種はいつ頃受けるのがよいですか?

 日本では、インフルエンザは例年12月~3月頃に流行し、1月~2月に流行のピークを迎えます。ワクチン接種による効果が出現するまでに約2週間程度を要することから、毎年12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられています。

 

Q6.ワクチンの接種量及び接種回数は年齢によって違いはありますか?

 インフルエンザワクチンの接種量及び接種回数は以下の通りとなっております。

① 6カ月以上3歳未満の方 1回0.25mL 2回接種

② 3歳以上13歳未満の方  1回0.5mL 2回接種

③ 13歳以上の方      1回0.5mL 1回接種

1回目接種と2回目接種の間隔は、3~5週間程度の間隔が目安です。最短で2週間以上空いていれば、2回目の接種が可能です。

 

Q7.インフルエンザワクチンを接種するにはいくらかかりますか?

 ワクチン接種は、病気の治療ではありませんので、健康保険は適用されません。原則として全額自己負担となっており、費用は医療機関によって異なっています。

当院では1回の接種料金は3,850円となっております。

市区町村によっては、年齢に応じて各種の助成金が支給される場合があります。ご不明な点がございましたらお問い合わせください。

 

11月に入って急に冷え込みが厳しくなり、インフルエンザの流行もニュースで流れてまいりました。

皆さましっかり対策して冬に備えて参りましょう。

 

代々木上原駅前内科クリニック O院長  

 

代々木上原駅前内科クリニック