頸動脈エコー検査は、首の動脈の“傷み具合“を超音波検査で評価する検査です。この検査では、超音波を用いて、首の動脈(頚動脈)の中内膜肥厚度(血管壁の厚さ)やプラーク(壁の一部が盛り上がった部分)の状態を調べることにより、動脈硬化症の進展度を判定します。頚動脈は動脈硬化の好発部位であるため、頚動脈における動脈硬化を評価することで全身の動脈硬化の指標となります。その際に計測されるのが、動脈硬化の指標のひとつである内膜中膜複合体肥厚度(IMT)です。 IMTとはIntima Media Thicknessの頭文字で、三層からなる動脈壁の内膜と中膜を併せた厚さのことです。頸動脈のIMTが1.1mmを超えると動脈硬化ありと判断され、同様に全身の動脈硬化の進行も進んでいると想像されます。 IMTの肥厚以外にも、血管壁に限局性の肥厚がみられる場合があります。これをプラークと呼び、動脈硬化の指標として重要です。 最終的にこういった動脈壁肥厚やプラークの破綻による血栓・塞栓症は直接脳梗塞の原因にもなるため、重度の変化に対しては血管そのものへの治療が必要になるケースもあります。 〇頸動脈エコーを受けた方がよい方 □高血圧症 □高コレステロール血症 □糖尿病、境界型糖尿病 □高尿酸血症・痛風 □肥満症 □喫煙者 □家族に脳卒中がいる方
<頸動脈エコーで発見された動脈狭窄 左:正常 右:IMT肥厚>
<最新機器のカラードップラー装置を使用しているので血液の流れも確認できます>
検査は20分ほどプローブという装置を首にあてるだけで、特に痛みを感じたりすることはありません。 熟練した女性のエコー専門技師が行いますので、どなたもご安心してお受けください。 検査は毎週火曜・土曜日の事前予約制です。 ご希望の方は受付または電話・WEBでご予約下さい。
〇迅速血糖検査
シーメンス社のDCAバンテージを採用しています。糖尿病診療に不可欠な血液ヘモグロビンA1c濃度を指先から採取した1μLの血液量で測定できます。測定時間もわずか数分であり、その日のうちに結果を確認して診療方針の決定に役立てることが可能になりました。
〇内視鏡検査(胃・大腸) 富士フィルム社製のLED光源搭載内視鏡システムの新型最上位機種7000シリーズを選択しました。
本装置は複数の高出力LED照明を用いて発光強度比を変えて照射、さらに画像処理を組み合わせることで観察に最適な画像を表出します。この富士フィルム社の開発したMulti-Light Technology(LEDやレーザー等の複数の光源を高精度に制御するとともに、画像処理を組み合わせることで、目的に応じた観察画像を作り出す技術)システムの採用は、個人クリニックとしてはややオーバースペックとも思われますが、最高品質の内視鏡診断を提供すべく、現段階で早期がんの発見に最も優れているシステムと判断して採用いたしました。
〇レントゲン検査 島津制作所のデジタル式レントゲン装置を採用しました。
安定したX線出力と優れた応答性が低被ばく高画質のキーポイント。優れた高周波インバータ技術で低エネルギーX線を低減するとともに高画質を実現しています。得られた画像は高品質のデジタルデータでサーバに保管記録されており、電子カルテとの連携により診療時に即座に呼び出すことが可能となっています。
心電図検査
安心の日本光電製の多機能解析心電計を採用しました。優れた視認性を確保する大型液晶ディスプレイを採用、操作性を重視した各種機能を搭載している信頼性の高いモデルです。健診利用だけでなく、不整脈や心臓発作など急な不調時の緊急検査としても威力を発揮します。
〇超音波検査
富士フィルム社製の高性能超音波診断装置ARIETTA65LELVを採用しました。
本機器は特に肝臓疾患の精査に優れており、肝脂肪化の程度の推定と肝繊維化の評価が可能で、進行性肝疾患の把握に対応した超音波診断装置です。
→(リンク②)肝臓の脂肪化や硬度を測定できる超音波診断装置
当院では熟練したエコー専門技師を登用し、腹部の精査以外にも動脈硬化の評価のための頸動脈エコー、甲状腺エコー、乳腺エコーを行っております。
→(リンク③)こだわりの超音波検査
(リンク①)富士フィルム内視鏡システムのMulti-Light Technology
当院の採用する富士フィルム社製内視鏡システム7000シリーズは、複数の高出力LED照明を用い、白色光と短波長狭帯域光を生成し、発光強度比を変えて照射、さらに画像処理を高度なアルゴリズムで組み合わせることで、病変の検出に優れた画像を表出することが可能です。
Multi-Light Technology
LEDやレーザー等の複数の光源を高精度に制御するとともに、画像処理を組み合わせることで、目的に応じた観察画像を作り出す技術です。本機器では白色光のほか、特殊な処理画像BLI(Blue Light Imaging)とLCI(Linked Color Imaging)の計3種による観察モードが採用されています。
内視鏡検査時には、リアルタイムにこれら3種の画像を組み合わせることで、これまでに難しかった、より精緻な診断を得ることが可能となっております。
白色光観察
通常観察に用いられる、自然の配色に最も近い画像です。
BLI (Blue Light Imaging)観察
短波長狭帯域光の照射により得られる高コントラストな信号に対して画像処理を行い、血管や表面構造などの観察に適した画像を表示します。
胃腫瘍の見え方の違い
大腸腫瘍の見え方の違い
(リンク②)肝臓の脂肪化や硬度を測定できる超音波診断装置
当院で採用しているARIETTA 65LE LVには肝臓の脂肪化の程度を推定するiATT(Attenuation coefficient)と、肝硬度/肝線維化を推定するShear Wave Measurement(SWM)とReal-time Tissue Elastography(RTE)の2つの方式のエラストグラフィが搭載されています。これにより脂肪肝の有無だけでなく、非アルコール性脂肪肝炎などの進行性肝疾患まで、肝疾患の総合鑑別をサポートします。
〇iATT
超音波の伝搬過程で生じる減衰より減衰係数を計測し、肝臓の脂肪化の程度を非侵襲的に推定することができます。
〇Shear Wave Measurement (SWM)
プッシュパルスで肝臓組織を振動させて発生するせん断波(shear wave)の伝搬速度【Vs】を計測し、肝実質の硬さを評価します。 【Vs】値には肝線維化のほか、炎症・黄疸・うっ血の程度が反映されます。また、フジフィルム社独自技術の信頼性指標【VsN】により、計測が妥当であったかどうかの判断が可能です
〇Real-time Tissue Elastography (RTE)
組織のひずみをリアルタイムに算出することで、組織の硬さの違いを色分けして表示します。
慢性肝炎において肝線維化の程度を評価するほか、乳腺領域においても腫瘍の性質評価に優れます。
〇当院の超音波診断装置を用いて観察可能な臓器や疾患 →(リンク③)
(リンク③)高品質の超音波診断
生活習慣病の治療基準や診療指針は、新薬の登場や様々な臨床研究の結果を受けて毎年のように更新されていきます。これまで正しいこととして続けられてきた治療もその都度修正、見直しをしていかなければなりません。私たちは様々な疾患の最新の診療ガイドラインに沿った治療を基本に、患者さまに正しい知識を得て納得して治療を受けていただけるよう、対話を重視した診療を目指しています。特に糖尿病については生活習慣病の中でも重点的に診療しております。投薬治療はもちろんの事、生活指導、栄養相談、インスリン導入管理、自己血糖測定管理も行い、将来の合併症予防に積極的に取り組んでいます。当院で導入されているヘモグロビンA1c濃度(HbA1c%)の迅速測定装置では数分で検査結果がわかるため、受診当日に検査結果を確認してすぐに投薬の調整ができます。 また当院では特に高血圧や脂質異常症・糖尿病・肥満などの生活習慣病の治療をしている方に、頸動脈エコー検査を積極的に活用して治療方針の決定に役立てています。生活習慣病を長年患うと全身の動脈の血管壁が厚くなっていき、脳血管障害や虚血性心疾患のリスクが高くなると考えられています。頸動脈エコーを行うことで全身の動脈硬化の進行度を評価することが可能となるため、結果をもって生活運動習慣の指導や投薬の調整の一助としています。
生活習慣病の治療は10年20年と続いていくものであり、長い経過の中では年齢や体力だけでなくライフスタイルや合併症など様々なものが変化していきます。現在最適と思われている治療も5年後には本人にとって負担がであったり望ましい治療ではなかったりすることは当然のように考えられます。私たちは「患者さまの健康寿命を向上させる最適な選択は何か」をその時々で提案し、患者さまとともに決めていくことを目指しています。
生活習慣病は、長い治療経過の中で、その時々でできることを続けていくことがとても大事です。忙しかったり気が進まなかったり通院を中断してしまった方も是非また戻ってきて下さい。患者さまにご自身の健康状態や治療によって得られるメリットについてご理解いただき、長く続けられる治療方針を一緒に相談していきましょう。